お部屋探しの際にやはり頭を悩ますのが初期費用です。部屋を借りるために必要な費用ですがこれが減らせるに越したことはありません。最近では敷金礼金が無しという物件なども増えてきていて負担が減るメリットもありますが実はデメリットも存在します。敷金礼金ゼロのメリットデメリットをよく理解してお部屋探しに役立てましょう。
①敷金と礼金とは?2つの違い比較
礼金とは・・・
賃貸の契約時に支払うお金で大家さんに『部屋を貸してくれてありがとう』という意味で渡す謝礼金です。
敷金とは・・・
賃貸の契約時に支払うお金で賃料の不払いや退去時の原状回復費用(クリーニング費用等)に充てるため貸主が担保しておくお金または預り金のことです。
2つの違いについては下の比較表をご覧ください。
このように2つセットのイメージですがそれぞれ違った性格があります。
敷金礼金をまだあまり理解していない方は下の記事も併せて読むと理解が深まります。
②敷金礼金ゼロのメリットとは?
敷金礼金ゼロのメリットしては単純で初期費用が抑えられるということに尽きます。例えば敷金1か月、礼金1か月の物件と比べると総額2か月分も削減できるのです。一人暮らしでも十数万円浮くわけですからかなり大きなメリットになります。
また、敷金礼金ゼロ物件は実はあまり知られていない少し審査が通りやすいというメリットもあります。一見関係なさそうに見えますがこれには理由があります。それは敷金礼金をゼロにする理由に由来します。だいたいの大家さん、不動産屋が敷金と礼金をゼロにする理由は早く入居者が決まってほしいからです。
ということは、大家さんの心理的には・・・
なるべく早く決まってほしい=多少審査を甘くしてでも入ってほしいということになってきます。これは経験上確かな情報でございます。大家さんや物件によって差はありますが覚えておいて損はないと思います。
③敷金礼金ゼロのデメリットとは?知らなきゃ損するカラクリ
敷金礼金ゼロのメリットを見てきましたが、実はデメリットも存在します。うまい話には裏がある・・・とまではいきませんがデメリットをしっかり理解しておくと良いでしょう。
1.敷金を預け入れていない
敷金は預り金として退去時にクリーニング費用等の原状回復にあてられるのですが、その敷金がゼロだと退去時に実費で支払わなければならないので思わぬ出費になってしまいます。また、手間もかかってしまうのでデメリットと言ってよいでしょう。入居時に敷金ゼロの場合は忘れずに覚えておきましょう。
2.管理状況が良くない場合が多い
これは不動産屋の経験上の話なのですがゼロゼロ物件は比較的古い物件や一人暮らしの狭い間取りなどであることが多く、とりあえず入居して家賃が入ってくれば良く、管理は二の次という考えの大家さんの場合があります。お部屋のバーゲンセールといったところでしょうか。もちろんゼロゼロ物件でも管理の行き届いた物件は数多くありますが例えばお部屋の設備が壊れたりなどで問い合わせした際、対応が遅かったり悪かったりすることが結構な割合で報告されています。
3.敷金礼金の代わりに違う名目で取る
表面上では敷金礼金がないのでお得なように見えますが結局敷金礼金を支払ったのと同じくらいの費用がかかってしまう場合もあるので注意しましょう。
代表的なのは敷金を『保証金』という名目にして徴収するパターンです。保証金は敷金と同じ意味合いですが一般の方は敷金がゼロだと初期費用が抑えられると思い、保証金の存在に気付かずに契約を進めてしまい、結果敷金1カ月うを払うのと同じことになってしまいます。また『契約時クリーニング費用○○○○円』のような名目で敷金は無しですがクリーニング費用が初期費用に含まれてくるパターンもあります。他にも敷金礼金がない代わりに割高な保証会社を加入必須であったり、住宅サービスに加入させられたり、書類作成費用を取られたりなど一般のお客さんが分かりずらい名目でひっかけてくる不動産屋さんも存在します。分からない費用がある場合は必ず聞いてみましょう。
④ゼロゼロ物件が向いてる人、不向きな人の特徴
【ゼロゼロ物件が向いている人】
・初めて一人暮らしをする
・とにかく費用を抑えたい
・仕事が忙しくてほとんど寝泊まりするだけ
・短期間(2年未満)で借りたい
・立地はそこまでこだわらない
【ゼロゼロ物件が不向きな人】
・入居者が複数人いる
・長く住み続けたい
・管理がしっかりしている物件が良い
・人気エリアに住みたい
⑤まとめ、不動産屋のアドバイス
敷金礼金ゼロのメリット
・初期費用が抑えられる
・審査が少し通りやすい
敷金礼金ゼロのデメリット
・敷金を預けていないので退去時に思わぬ出費になる
・管理状況が良くない物件である可能性がある
・敷金礼金ではない名目で費用が掛かる場合がある
いかがでしたでしょうか。敷金礼金ゼロにはメリットデメリットが存在し目先のメリットだけ見ていると思わぬデメリットに引っかかってしまうので気を付けましょう。メリットデメリットをしっかり理解したうえで自分の生活スタイルに合うか照らし合せるとよいでしょう。